厚生労働省推奨のオメガ3系脂肪酸

厚生労働省は油由来のα リノレン酸と魚介類由来のエイコサペンタエン酸(EPA)、ド. コサヘキサエン酸(DHA)それぞれについて検討を行った。

基本的な考え方

n‒3系脂肪酸には、食用調理油由来のα‒リノレン酸と魚介類由来のエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがある。

体内に入ったα‒リノレン酸は、一部 EPA や DHA に変換される。

α‒リノレン酸の摂取量は総 n‒3系脂肪酸の 59% を占める。

DHA 摂取量は EPA の 1. 8 倍程度でもっとも多く、DPA 摂取量は EPA の 30% 程度である。

近年、日本人を対象とした EPA 及び DHA 摂取量に関する大規模観察研究と EPA 製剤の介入研究の結果が発表された。

また、魚によっては水銀、ダイオキシンなどの環境汚染物質が含まれていることや世界的な魚資源の不足により、将来、α‒リノレン酸の摂取が重要になる可能性があるため、効果的な摂取を勧めている。

効果・効能のまとめ

状況 症状
EPA・DHAの欠乏 ・皮膚炎の発症
EPA・DHAを摂取 ・血中中性脂肪値の低下

・不整脈の発生防止

・血管内皮細胞の機能改善

・血栓生成防止作用

他いろいろな生理作用を介して生活習慣病の予防効果を示す。

 

目標量を設定

n‒3系脂肪酸自体の摂取基準を設定した。

このため、α‒リノレン酸と魚介類由来の n‒3系脂肪酸のそれぞれについて検討を行った。目安量に関しては、欠乏症を予防する観点で策定されていて、α‒リノレン酸と魚介類由来の n‒3系脂肪酸とを区別することは困難である。

 

このため、α‒リノレン酸と魚介類由来の n‒3系脂肪酸の総摂取量で摂取基準を策定した。

 

なお、疫学データでは EPA と DHA の摂取量を用いた研究が多いので、魚介類由来の n‒3系脂肪酸の望ましい摂取量には EPA と DHA の摂取量の合計値を用いた。

 

EPA 及び DHA の目標量

EPA 及び DHA(魚介類由来の n‒3系脂肪酸、いわゆる魚油)による予防効果が期待されている総死亡、虚血性心疾患、心不全、脳卒中、がん、加齢黄斑変性症について主に記載した。

 

魚介類由来 n‒3系脂肪酸の抗不整脈作用や血圧低下作用に、0. 75 g/日で閾値があることが示されている。

 

国内外の研究報告の内容

 

国内 40~59 歳、男女に

2.1g/日 対 0. 3 g/日

67% もハザード比が減少する
国内 0.9g/日 対 0. 3 g/日 39% もハザード比が減少する
国内 総コレステロール値が 250 mg/dL 以上に

1. 8 g/日の EPA を投与

年間で 19% の冠動脈疾患罹患の減少

「不安定狭心症の減少を認める結果」

「心不全に対しても効果が認めらる」

国内 (2. 11~5. 06 g/日) 対

(0. 05~1. 18 g/日)

心不全による死亡の相対危険が 0. 58 に低下
海外 慢性心不全患者にEPA・DHA を1 g/日投与 死亡率57%減少

 

海外 心血管での入院患者にEPA・DHA を1 g/日投与 死亡率59%減少
国内MRI 週3回以上魚を摂取する人 5年間で死亡率 26% 減少する。
国内 脳卒中の既往のない人に

1. 8g/日の EPA を投与

脳卒中の減少は認められていない
国内 脳卒中患者に

1. 8g/日の EPA を投与

脳卒中再発の相対危険の 20% 減少
国内 大腸がんを含む 11 種類のがん n‒3系脂肪酸の摂取量との関連は認められていない。
国内 EPA・DHA 摂取量が多い群 加齢黄斑変性症の発症リスクが減少

予防効果の可能性が高い

国内 日本人の妊婦を対象

EPA・DHA 摂取量

(0. 83g/日)対(0. 24 g/日)

アレルギー性鼻炎罹患のオッズ比が 0. 56 に減少
国内 EPA・DHA 量を 0. 9g/日摂取 非致死性の心筋梗塞罹患の減少が認められている

 

これに丸め処理を行い、18 歳以上では、1g/日以上の EPA・DHA摂取量(魚を約 90 g/日以上)が望まれる。

ホームに戻る